HoriHoly’s blog〜ベトナム&台湾編〜

ツーリング記録やツーリング先での出来事をだらだら描きます。

3/7-6日目〜楽園への関門〜

どうもホーリーです。

 

 

今回はフエからダナンまでの移動です。

 

 

6時半に全員が起き、リツの体調を訊ねたところ峠に行くとのこと。

 

今日は距離自体は長くないので7時半に出発。

 

 

しかしやはりリツのペースが上がっていない。

やはり完治はしていない様だ。

 

今回は峠まででもアップダウンが多く、キツめの上り坂に遭う度にリツは消えていく。

 

一度ガソリンスタンドで休憩を取る。

今日は天気が良く日差しが出ている。

峠からの見栄えは良さそうだがツライだろうな…

しかし、ここで引き返すことは出来ない。少し休み峠へ向かう。

 

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峠の近くがとても開けていて景色が良かった。

 

私は峠が苦手だ。

上り坂といつ終わるか分からない格闘を繰り広げる。いや、あれはむしろ坂道と、では無く自分との戦いだ。妥協することは許されない。

 

体調の悪いリツはトンネルで行くことを提案したが、リーダーであるタケは峠に行くことを妥協しなかった。

途中はぐれてはいけないので峠に行くことになった。

 

気を引き締め、峠に入る。

序盤はかなりいいペースで進めたが、後ろの荷物が重く中々上手く進めない。さっきよりも天気が良くなってきた。長い上り坂にベトナムの日差しが加勢する。これはツライ。北海道では感じ得ないツラさだ。

 

途中、我々のツーリングの元となった「水曜どうでしょう」でチーム40がエンストしたカーブに遭遇した。番組自体は十数年前のものだったが、現地は映像のままで感動を覚えた。

 

そこそこ進んだ頃、開けたところでタケが先に待っていた。ペースの落ちているリツを一度待つ様だ。

私も日陰に自転車を置き、座り込む。鞄からVfreshを取り出し何も考えずに喉に通していく。

はぁ、癒し。

峠道で疲れた身体にリンゴが染み渡る。爽やかな甘さとしつこくない後味が運動後に丁度良い。飲む度に、自分はこの瞬間のために産まれたのかと思う様な幸福感が身体を包む。

これだからVfreshは辞められないぜ。

 

少し休むと今停まっているところがいい眺めであることに気づく。

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 いい景色だ。上り坂がツラくてもこういう景色を見るとやる気が出ちゃうなぁ。これだから峠は簡単に嫌いになれない、憎たらしいやつだ。

 

 

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ふと自分の自転車を見てみる。

ここまでよく頑張ってくれた。

でもまだまだできるはずだ、よろしく頼むよ。

 

30分後くらいにリツがやってきた。

ツラそうだったが、ある程度休んだ後普通に出発していた。

 

地図を見てみるとピークは近そうだったので、ここからはリツの見える範囲でいこうということになった。

が、ピーク付近でタケはペースを上げ先にピークに着いた。後で聞くと少しでも早くピークに行きたかったとのこと。

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 やはり見晴らしは良いや。

 標高差と風があるので日差しは気にならないほど涼しい。むしろ寒いくらいだった。

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 ピークは観光地となっていて観光バスが何台も停まっていた。観光客へのキャッチが凄い勢いで近くにいると色々売りつけられそうだったので少し離れたところでリツを待つことにした。

観光客の多くが出店でココナッツジュースやペットボトルのコーラを買い、近くの遺跡のある丘まで上がっていた。色んな国籍の人が皆んな同じ様なことをしていたのがとても印象的であった。

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丘の上の景色は良いのですが上手く撮れませんでした…

 

リツが到着するまで、しばらく出店を観察していると個人的に気になる所が見えてきた。

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ゴミである。

 

観光客は飲んだ後のココナッツの実やペットボトルを決められたゴミ箱に一応入れてはいるのだが、ゴミ箱が溢れそうになると出店の人がそのゴミを峠の下の方にブン投げる。

写真ではあまり分からないかもしれないが下の方はゴミまみれであった。ココナッツはまだしも、プラスチックのゴミが多いのが目立った。

ここにも番犬らしきものがいたが番犬は必死にそのゴミを漁り食べていた。

奥の方では出店の他の店員だろうか、必死にゴミを埋める穴を掘っていた。

数年後にはここは一体どうなってしまうのかと不安になってしまう光景だった。しかし、私には解決法を見出す事が出来ず、ただ見ていることしか出来なかった。

 

 

リツも到着し出発することにした。もうこれからは下り坂だ。辛いのによく頑張っていたと思う。

 

下り始める。

すぐにスピードが出たので上ってきた方よりも傾斜がキツイのがすぐに分かった。

それに加え、日本では見ない程の急カーブ。

オマケに猛スピードで飛ばしてくる観光バスやココナッツジュースを過積載したバイク。

下りも中々おっかないものだった。下に着いたときの安心感は測りしれなかった。

 

 

ダナンの市街地に入る前タケと少し道を確認した。確か橋を渡って左…いやまっすぐだったかな。少し不安であったが追っていれば間違いない。

その判断が命取りだった。

橋は自転車で渡れないという標識が出ていて私は下道で行こうとしたがタケはまっすぐ進んで橋に入ってしまった。

まずい…

とっさにハンドルを切り橋に乗ることが出来たが、バイクの波の中にタケの姿を見つけたが大分離れてしまった。必死に追いかける。

しかし急に車が横切り次に同じ場所を見たときにタケの姿はなかった。

反射的に後ろを見る。リツはいる。良かった。

橋を渡りきり、交差点の周辺をじっくり見る。

が、タケはいなかった。

 

完全にはぐれてしまった。

 

wi-fiの環境下でないとこの国では我々の携帯電話は真価を発揮できない。

交通の落ち着いた所でリツとどうするかを話し合った。3人バラバラにならなかったのが救いだろうか。

しばらく同じ場所に留まることにしたがタケは現れなかったので、リツに留まってもらって時間を決め、その間私が街中を探すことにした。

異常な量のバイク。落ちゆく陽。

異国の地の全てが私の不安を掻き立てる。

全神経を集中させ探し出す。

見つからない。

時間になりリツの場所に戻る。

 

今後のことを考えてみた。グローバルwi-fiは私が持っていたので最悪のケース、2人だけでホテルを予約することになるのだろうか。

しっかりと確認しなかった自分が悪い。

気が付けば自分を責め始めていた。

そんな良くない考えばかりがよぎっていった。

 

 

どうすれば良いのか分からなくなり呆然としていると、急に電話が鳴る。

 

タケからだった。wi-fiが使えないはずなのになぜ…?

 

当時の私は焦りに焦っていたので詳細は覚えていないのだが要約すると、

はぐれたことに気づく

→探す

→いない

→近くの携帯ショップでwi-fiを借りる

→電話する

大体こんな感じだった気がする。

 

近くのガソリンスタンドに集まることにし、なんとか全員揃うことができた。本当に良かった。

聞けば携帯ショップでは英語が通じず、悩んでいたところ 昨日たまたまネットで調べていたベトナム語での「wi-fi貸してください。」を思い出し、なんとwi-fiを貸してもらったらしい。

事実は小説よりも奇なり、とはこのことだろうか。それにしても良かった。

私はこの件に関して寿命が数年縮んだであろう程ヒヤヒヤしたのだが、タケはあまり動揺していなかった。さすがリーダーだ。

 

兎にも角にも、合流出来たのでホテルからはもう大分近いので明日の連泊に備えるためにスーパーに向かった。

そういえばお腹も減っている。夕食も食べよう。

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 バイン・ミーというベトナムのサンドイッチである。具は色々あったが牛の焼肉とレタスを挟んだ物にした。値段は約75円程。ぼちぼち。

 

かぶりついたがパンはフランスパンの様でとても硬い、が意外としっとりしていた。

肉まで辿り着いたときは感動した。しっとりとしたこのフランスパンと濃いめの味付けの牛肉がよく合う。それに具は牛肉とレタスだけでなく、キュウリやホイル焼きにしたニンニクが入っていてそれもまた美味い。それにしてもベトナム料理なるものは日本人の口に合いますなぁ。

それにまた3人で食を共にすることが出来て本当に良かった。

 

食べ終わったあとスーパーにていつも買う量の2倍くらい物を買った。当然だが鞄に入らなかったのでキャリアに無理矢理くくりつけた。

 

過積載の状態でダナンの夜を走る。

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ベトナムかどうか分からないぐらい夜のダナンはギラギラしていた。距離自体は大したことはなかったがホテルへの道のりは異常に長く感じた。

 

30分程で無事にホテルに辿り着いた。

今日のホテルの人もいい人そうだ。

ホテルの人に自転車でハノイからホーチミンを目指している途中であると伝えると、今までに見た事ないくらい驚いていた。

いいリアクションだ。その方がこっちもやりがいがあるってもんですよ。

 

ホテルの部屋に入る。色々あった日ほどホテルに着いたときの安心感は大きい。

 

そうして長かった1日がようやく終わりを告げた。距離は長くなかったがハプニングが多かったな。

今日はしっかり休もう。明日は連泊だ。

リゾートでしっかり体を休めるんや。

  

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 本日の走行距離110km。

 

長くなってしまいましたが今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。