HoriHoly’s blog〜ベトナム&台湾編〜

ツーリング記録やツーリング先での出来事をだらだら描きます。

3/13-12日目〜一期一会〜

どうもホーリーです。

 

今回はトゥイホアからニャチャンまでの移動です。

 

 暑くなる時間が早くなってきたので早朝出発。

出発できたのは6時頃。でも、ベトナムの朝は早い。町中では人々が既に店の準備を始めていたり、公園では集まって体操もしていた。早い。

 

1時間程進むとトンネルに入れる道があったのですが、そこだけ高速道路になっていて自転車は入れず峠を通ることに。はぁ…。

 

 峠に入り自分1人だけ置いていかれると上り坂というよりも速く登れない自分に腹が立つ。

あの時間が嫌いだ。どうして自分はこんなに遅いのか。負の感情に囚われる。

 

しかし、今日の峠はハイヴァン峠に比べれば短かった。それに時刻は7時半頃。朝の良い景色が見えるかもしれない。

 

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 素晴らしい。

なぜこんなにも美しいのか。

良い天気に恵まれたからだろうか。

辛い峠を乗り越えたからだろうか。

私には分からなかったが、先程の負の感情など無かった様に景色に魅入ってしまった。

 同じ場所に来てもこの景色に会えないだろう。

一期一会、なんと上手い言葉が世にはあるのだろう。

 

海岸線に出たのでしばらくこの美景を眺めながら自転車で坂を下る。

とても気持ちが良い。非日常という言葉がぴたりと合う。

 

そういえば今、東南アジアを観光旅行している友人にベトナムに行くならどこの都市がオススメかツーリングをしている我々の意見を聞きたい、と連絡があった。

だが私は具体的な都市というよりも、都市と都市の間の名前もないような景色が好きだ。

だがそういった景色は自転車で移動している中でたまたま出会ったからこそ美しく綺麗に見えるのかもしれない。

 

いろいろ考えている内に目の前の道路を横断しようとしている影が見え、ブレーキを握った。

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 牛障害だ。

初日からちょこちょこ目撃はしていたがカメラに収めることは出来ていなかった。

このタイミングで取れたのは運が良いな。

 

牛も渡りきり、再び進む。

ある程度進んだところでガソリンスタンドに寄る。

目的地までの距離を確認すると50km程。

え?まだ10時…

もしかしたら今回は初の午前中着になるかもしれない。全員が気合を入れる。急ぐ理由もないというのに。

休憩中はVfreshの新しい味をぜひとも飲もうじゃないか。

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 値段は50%オレンジと同じくらい。私が日本では見たことがない、謎フルーツ味である。

おそるおそる口に含む。

ん?なんだこの味は?

日本では珍しい甘さである。近いもの挙げるなら、トロピカルジュースみたいなものに含まれている何か、としか言えない。

不思議な味だが不味くはない。よかった…。

しかし私の中ではリンゴに勝ることはできなかった。やはりVfreshはリンゴですよ。

 

休憩も終わり出発する。

さっきの気合からか巡航速度がとても速くなっている。向かい風の中であろうと関係は無かった。

私は何度かちぎれてしまったが、追いつく度に高速巡航が始まる。平地ながらキツめの移動を繰り返すと、もう目的地周辺であった。

時計を見ると11:50だった。向かい風にしては速かった、と私は思った。

 

スーパーで買い出しと昼食を摂り、ホテルに向かう。

 

全員がシャワーを浴び、すっきりしたところで私とタケは少し早かったが寝る準備をしていた。リツは近くのベトナム料理のお店に行こうと提案していた。私は疲れていたのであまり乗り気ではなかったが、せっかくなので全員で行くことになった。

 

ホテルからは歩いて10分もしないくらいの場所だった。建物の屋上を改装してお店をしている様だった。少し狭い階段を登る。

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 Lantersというお店らしいです。

とてもオシャレで自転車に乗る格好で来た我々は場違いかと思いましたが、ラフな格好の観光客も多く安心しました。

 我々が入店したのは5時過ぎ頃でしたがまだお客さんも少なく、注文もしやすかったです。

訪れる予定のある方は是非ご参考までに。

 

注文をするとスタッフがフォークとナイフを並べてくれたので、私も姿勢を正す。

そういえば、こういうきちんとした所で夕食を摂るのは久しぶりな気がする。

夕食はいつも、ファストフードやカップ麺を食べるかそもそも食べないといった感じでいつも適当にしていることが多かった。

久々の夕食にワクワクしながらも先に来たドリンクで南部に到達したことに我々は乾杯した。目的地はもう遠くない。

 

少しすると料理が運ばれてきた。

違うスタッフが料理に合わせてフォークとナイフからスプーンとお箸に変えてくれた。とても気が回るスタッフだなぁ。

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 私はベトナムカレーというものを注文した。とても良い匂い。またしてもジャポニカ米。安心である。

スプーンで一口…。

バターとココナッツの香りが口いっぱいに広がる。

美味い。カレーというよりもシチューか、そんなことを思った瞬間、程よい辛さが現れる。やはりカレーだった。

それにしてもこのカレー、美味い。

トロトロのカレーはアツアツのご飯によく絡みスプーンを動かす手が止まらない。

ニンジンやジャガイモといった具にもカレーの味が染みていてこれまた美味い。

 

間違いなくベトナムに来てから1番美味いと感じた。それは今日の高速巡航を乗り切ったからだろうか、それとも今日までしっかりと距離を積み重ねて頑張ったからだろうか。

 

6時頃になり、急にお客さんが増えて来た。

我々は二杯目のドリンクと一品物を注文したかったが、中々難しい状況になってきた。

メニューを貰うため私が手を挙げたとき1人のスタッフがこちらに向かってくれた。

さっきの気の回るスタッフだった。

そういえばこのスタッフ、服装が他の方と違う。お手伝いさんだろうか、我々と同じか少し下くらいの年代の女の子の様に見える。

 メニューを見せてください、と英語で言ったつもりだったが伝わっていない。私があれこれ思案し言ってみても伝わらなかった。勉強不足か…。

困惑してしまった私を見て、そのスタッフは他のスタッフを連れてきてくれた。新しく来たスタッフに最初の言い方で言ってみた。するとすぐにメニューを持ってきてくれた。新しく来たスタッフはベトナム語でさっきのスタッフに色々伝えているように見えた。

どうやらさっきのスタッフは英語を勉強中らしい。

そう考えると私が話していたとき、私の目を見てリピートしながら私に耳を向けていた様にも思える。

 

ドリンクとベトナム風のエビフライを注文した後、しばらくそのスタッフを目で少し追いかける。

 他のテーブルでも聞き取りに何度も苦戦し、その度に他のスタッフに助けてもらっていた。

少し時間が空くと我々からは丸見えの控え室の様なところで何かを必死に書いているように見えた。

気が付けば、何度も苦手であろうことに取り組んでいるその姿を自然と目で追っている。あの真剣な眼差しに心奪われてしまったのだろうか。

私はふと自分に置き換えてみた。

私はあんなに真摯に学ぶことに向き合えているだろうか。苦手なことから逃げていないだろうか。

私は何か大切なことを忘れていた気がする。

諦めずに真摯に取り組む。

言葉にするとそれまでだが、だからこそ忘れがちである。

 

帰国してからはより一層学びに真摯に取り組もう、そう思ったところで我々のグラスと皿が空いたのでお会計することにした。全員分で約3,200円程、たまには贅沢もいいだろう。うんうん。

 

旅の記念にあの娘と写真でも撮ってもらおうか。

いや思い出は自分の胸に留めておこう。

それにきっとあの娘のあの眼差しは写真には映らないだろう。

 

我々は店を後にしホテルに向かった。明日の行程が短いからと言って少しゆっくりし過ぎたかな。それでも凄く元気を貰えた気がする。明日からもまたペダルを回すぞー。

 

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 本日の走行距離130km。

 

 

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます。